粉体塗料あれこれ
粉体塗料のメリット

環境面の利点

粉体塗料がVOC(揮発性有機物質)を含まない、もしくは架橋反応により若干のVOC排出があったとしてもごく少量であることは広く認識されています。

その他に、粉体塗料では、初期塗着効率が液体状の塗料に比べ格段に高いこと、オーバースプレー分の塗料をサイクロン等の装置を使用して回収・再利用可能なことから、廃棄塗料の量が低減されることも環境負荷を減らす大きな要因となっています。

また、現在では廃粉体塗料を再利用する研究も行われており、近い将来、更に環境に優しい塗装方法として広く認識されると思われます。

品質の安定性

液体状の塗料では、塗装現場での塗料の予備攪拌、攪拌、粘度調整等、塗装の仕上がりに影響する付加作業が必須となります。

この様な塗装現場での付加作業により塗装の仕上がりが変わってしまうことも多いですが、粉体塗料の場合は、塗料をそのまま塗料タンクに入れて塗装を開始することが出来るので、仕上がり品質が格段に安定します。

また、防食仕様などで最低膜厚が指定されている場合でも、粉体塗料はタレなどの問題を生じることなく一回で指定の厚膜を付ける事が可能です。

塗装設備面で言えば、塗装の自動化は液体状の塗料に比べて容易であり、従って、ラインの小型化も可能です。

多様な意匠性と高性能塗膜

粉体塗料は液体状の塗料による塗装に比べ平滑性、ハイグロスでは劣る部分があるのは事実でありますが、粉体塗料ならではの独自な意匠性に富んでいます。

例えば、溶剤型塗装では職人技とされるハンマートーンや石目模様、テクスチャーなどは、粉体塗料では安定した模様を一回の塗布で簡単に再現する事が可能であり、その模様を維持する事も容易であります。

また、数年前までは技術的な問題によりタブーとされていたメタリック色も、ボンディングメタリックと呼ばれる塗料の製造技術の開発により安定した仕上がりが得られるようになりました。

塗膜性能自体も粉体塗料は被覆性に富み、強度,耐薬品性,耐食性,耐候性などの面で優れた性能を有しています。

安全性

溶剤型の塗料は危険物倉庫での保管が義務付けられており、引火性・発火性を有するが、粉体塗料は保管時に発火や引火の危険性が無く最も安全な塗料と言えます。

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